自宅で楽しむ「美味しいふぐのひれ酒」の作り方
寒くなると、飲みたくなるのがふぐのひれ酒。
香ばしく炙ったふぐヒレの香りをじんわりと酒に移して嗜む、冬ならではの日本酒の楽しみ方をご紹介します。
ひれ酒の「ヒレ」はどんなものがいいの?
ひれ酒に一番適していると言われているのが、とらふぐのヒレ。
益や酒店の「とらふぐのひれ」は、下関産のとらふぐで、サイズは平均して3〜4cm程度。厚みも適度にあるものを取り扱っています。
ヒレの枚数は、1合(180ml)の日本酒に対して2枚、
一人分の半合サイズ(90ml)で1枚を目安にして下さい。
ひれ酒を作ってみよう
1. とらふぐのヒレを炙る
ヒレを並べて炙っていきます。 焼き網のほか、トースターやグリルを使ってもOKです。
写真のように炙り鉢を使うと、卓上でも楽しめますよ。
魚焼きのグリルなど、網目が荒い場合はアルミホイルを引くとヒレを落とさずに炙ることができます。
注意点としては、弱火でじっくり炙ること。
一気に強火で焦がしてしまうと苦味が強くでてしまいます。 ヒレがほんの少し焦げるくらいに炙ることで生臭さが消え、香りがぐっと立ってきます。
時々ひっくり返しながら、香ばしい香りがしてくるまで炙っていきましょう。
2. 日本酒は熱すぎるぐらいに温める
通常、熱燗といえば50〜60℃程度のものですが、ヒレ酒にするときは70〜80℃の熱々の燗につけます。
ヒレに含まれるアミノ酸などの旨味成分が、酒に溶け出す温度が70℃以上だからなんだとか。 高めの温度にすることでヒレの旨味が日本酒に染み出し、独特の風味とコクが出ます。
また、温度を高くすることで魚臭さが出にくくなるという利点もあるようです。
3.ヒレをお酒に入れて、蓋をする
炙ったヒレを酒器に入れ、熱々のお酒を注いだら蓋をして1〜2分待ちます。
酒器はお湯呑みを使っても良いですし、 蓋は小皿やアルミホイルでも代用できます。
4.お酒に火をつける
蓋を外してすぐに火をつけると、お酒の表面にわっと青い炎が立ち上ります。 火をつけてアルコールを飛ばすことで、熱々でツンとしたお酒のキツさが和らぎ、飲みやすくなります。
マッチや点火棒を使って火をつけてみましょう。先にマッチなどに火をつけておいてから蓋を外すとスムーズです。
最初と比べると、お酒がしっかり飴色に色づいています。
飲むときはヒレは取り出しても良いですし、浸したままでも飲むことが出来ます。
ひれ酒にはどんな日本酒がおすすめ?
使用する日本酒は、純米酒が良いという方もいれば、本醸造酒が良いという方もいますが、これに関しては好みの問題かな?と思います。
ただ、フルーティーな純米大吟醸酒や、あっさりと軽いタイプのお酒ですと、キリッと冷やして飲む方が美味しく感じられることが多く、ひれ酒のように熱々にして飲むにはあまり相性が良くないかもしれません。
ひれ酒は、そもそもは物資の乏しかった時代、安いお酒に旨みを加えて美味しく飲む知恵として広まったと言われています。 純米酒、本醸造酒のほか、普通酒などの比較的安いパック酒などでもふぐの旨味を楽しむことができますので、ぜひお好みのお酒を見つけてみて下さいね。
※益や酒店の「とらふぐのひれ」は、JR京都伊勢丹B1お酒コーナーでも、11月下旬以降より販売予定です。